【スピニングリールメンテナンス】まさかのローターのネジ穴が緩んでしまったのでローター交換します!

【スピニングリールメンテナンス】まさかのローターのネジ穴が緩んでしまったのでローター交換します!

公開日
2018年10月16日 16:10:29
カテゴリー
スタッフ雑記

前回、紆余曲折しながらもラインローラー交換を終えたはずのSHIMANO 15 TWIN POWER C3000HGに異変が…
どうやらローターのネジ穴が緩んでしまったのでローター交換したいと思います。
せっかくですので各パーツの説明なども交えながらローター交換の様子をお伝えしたいと思います。

  1. ラインローラーを交換したばかりのSHIMANO 15 TWIN POWER C3000HGに異変が…
  2. 新品のローター取り寄せ
  3. ローターを取り外すためにリールの分解
  4. ローターに付いている各パーツの取り外しと新しいローターへの取り付け
  5. 3回の釣行でエアノット祭り…
    エアノットの原因は一体なんなのか…
  6. ラインの太さに合わせた調整が必要!
    スプールを適切な高さにするためにスプール座金での調整方法
    1. スプール座金の場所と追加/取り外し方法
    2. 逆テーパー(逆ハの字)の時のスプール座金の調整方法
    3. テーパー(ハの字)の時のスプール座金の調整方法
  7. あると便利なグッズ紹介
  8. まとめ

リールの分解や改造は自己責任になります!
不安な方はメーカーや釣具屋さんでオーバーホールを依頼しましょう!

ラインローラートラブル解消 後編もあるでし!

ラインローラーを交換したばかりのSHIMANO 15 TWIN POWER C3000HGに異変が…

アームカムとローター間に隙間が出来ている
アームカムとローター間に隙間が出来ている

釣行の前日にリーダーを組み直そうとラインローラーを交換したばかりのSHIMANO 15 TWIN POWER C3000HGを手に取るとアームカムとローター間に隙間が出来ていることに気付きました…
ラインローラーを交換してから1度だけ釣行したのですが特に問題はなかったのですが…
調べてみるとアームカムを止めているネジ穴がダメになってちゃんと閉まらなくなってました…

乱暴に扱うからでし…

一応、丁寧に扱ってるんですが… ネジを受けるローターが樹脂製でネジを回しすぎてしまうと雌ねじの溝が雄ネジに削られて固定出来なくなるみたいです…

直したばっかりなのにまた修理でしか…

これは18 ステラを買えってことだよ!

ローター取り寄せて交換すればまた使えるよ!

また取り寄せって近所の釣具屋さんに“またコイツ”って思われるし
18 ステラはアームカムのネジをカバーで押さえてるから緩みにくく改良されてるぞ!

だめだめ!
せっかくラインローラーも直して愛着もあるでしょ!

もんげ〜
18 ステラ… 愛着…

18 ステラ!

ローター交換!

あぁ〜もううるさい!
ローター取り寄せて18 ステラも買う!

素晴らしい考えだ!

お金大丈夫ですか?

いやいや〜そんなわけ無いでしょ!
冗談です!

すっすいません…
ローター交換の方向でお願いします…

新品のローター取り寄せ

翌日の朝一番に近所の釣具屋さんでローターの取り寄せをお願いしました。
取り寄せ方法はパーツの取り寄せ方法(シマノ)を参考にしてください。
通常、1〜2週間前後で依頼した店舗にパーツが届きます。

4回目のパーツ取り寄せだったので店員さんに若干の羞恥心を感じながらお願いしました…

普通だったら短期間に4回も頼むんだったら1回で済ませてって思うでしな…

リールは分解しないとどこが悪いか分からないから仕方ないですね…
ローターは1週間程でお店に届きました!

ローターを取り外すためにリールの分解

左側のローターが今回取り寄せた新品のローター
左側のローターが今回取り寄せた新品のローター

ローターも無事、取り寄せたのでこれからリールの分解を行いたいと思います。
せっかくですので各パーツの説明なども交えながらローター交換の様子をお伝えしたいと思います。

まずスプールを外すため赤矢印のドラグノブを回して外します。
まずスプールを外すため赤矢印のドラグノブを回して外します。
スプールを外すとメインシャフトが登場します。メインシャフト最上部にはスプール座金が数枚入っています。
スプールを外すとメインシャフトが登場します。
メインシャフト最上部にはスプール座金が数枚入っています。
メインシャフトから取り出したスプール座金。様々な太さのラインを巻けるようにスプールがラインローラーに対して適切な高さになるようスプール座金で調整します。
メインシャフトから取り出したスプール座金。
様々な太さのラインを巻けるようにスプールがラインローラーに対して適切な高さになるようスプール座金で調整します。
調整方法はスプールを適切な高さにするためにスプール座金での調整方法を参照してください。
スプール座金は厚さ0.25mmと0.5mmの2種類あり、0.5mm5枚入っていました。
スプール座金は厚さ0.25mmと0.5mmの2種類あり、0.5mm5枚入っていました。
スプール座金の次は赤矢印のスプール軸ベアリングガイドを取り外します。
スプール座金の次は赤矢印のスプール軸ベアリングガイドを取り外します。
写真がボケていますがスプール軸ベアリングガイドは赤矢印のセットスクリューというイモネジで固定されています。
写真がボケていますがスプール軸ベアリングガイドは赤矢印のセットスクリューというイモネジで固定されています。
セットスクリューは六角レンチの0.9mmで回せます。
セットスクリューは六角レンチの0.9mmで回せます。
スプール軸ベアリングガイドを取り外せば写真左のドラグ音出シラチェットまで簡単に外れます。このギヤっぽいドラグ音出シラチェットはドラグが出た際の音を出すためのパーツとなります。
スプール軸ベアリングガイドを取り外せば写真左のドラグ音出シラチェットまで簡単に外れます。
このギヤっぽいドラグ音出シラチェットはドラグが出た際の音を出すためのパーツとなります。
続いてローターを固定しているナットを保護している赤矢印のリテーナーを取り外します。左右のプラスネジを取り外せばリテーナー自体は簡単に外せます。
続いてローターを固定しているナットを保護している赤矢印のリテーナーを取り外します。
左右のプラスネジを取り外せばリテーナー自体は簡単に外せます。
取り外したリテーナーの下に赤矢印のローターベアリングシールがあります。このローターベアリングシールでメインシャフトからリールボディーへの水の侵入を防いでいます。
取り外したリテーナーの下に赤矢印のローターベアリングシールがあります。
このローターベアリングシールでメインシャフトからリールボディーへの水の侵入を防いでいます。
赤矢印の六角ナットがローターを固定しているナットになります。ローターナットは12mmです。
赤矢印の六角ナットがローターを固定しているナットになります。
ローターナットは12mmです。
メインシャフトがあるのでソケットレンチよりもオフセットタイプのメガネレンチがオススメです。なおこのローターナットの回転向きは通常のネジとは逆方向となります。時計回り:ナットが緩む(UNSCREW)、反時計回り:ナットが締まる
メインシャフトがあるのでソケットレンチよりもオフセットタイプのメガネレンチがオススメです。なおこのローターナットの回転向きは通常のネジとは逆方向となります。時計回り:ナットが緩む(UNSCREW)、反時計回り:ナットが締まる
ローターナットが外れればリールボディーからローターが取り外せます。
ローターナットが外れればリールボディーからローターが取り外せます。

ローターに付いている各パーツの取り外しと新しいローターへの取り付け

ここからはローターに付いた各パーツを取り外しながら新しいローターに取り付けていきます。
ここからはローターに付いた各パーツを取り外しながら新しいローターに取り付けていきます。
アームカム取り外します。ネジはT9です。
アームカム取り外します。ネジはT9です。
アームカムの反対側のネジも取り外してベールを取り外します。こちらもネジはT9です。
アームカムの反対側のネジも取り外してベールを取り外します。こちらもネジはT9です。
続いてベール取付けカバーを外します。長さの違う2本のプラスネジで留まっています。
続いてベール取付けカバーを外します。
長さの違う2本のプラスネジで留まっています。
外したベール取付けカバー取り付けを新しいローターに取り付けます。
外したベール取付けカバー取り付けを新しいローターに取り付けます。
反対側のアームカムバネカバーを取り外す前に失くしやすい音出しピンと音出しバネを取り外します。
反対側のアームカムバネカバーを取り外す前に失くしやすい音出しピンと音出しバネを取り外します。
取り外した音出しピン(右側)と音出しバネ(左側)このパーツはベールを起こす時やベールを返す時に“カチッ”と音を出すためのパーツです。
取り外した音出しピン(右側)と音出しバネ(左側)
このパーツはベールを起こす時やベールを返す時に“カチッ”と音を出すためのパーツです。
音出しピン(右側)と音出しバネ(左側)を赤矢印の場所に取り付けます。音出しピンに音出しバネを取り付けてからローターに取り付けると楽です。
音出しピン(右側)と音出しバネ(左側)を赤矢印の場所に取り付けます。音出しピンに音出しバネを取り付けてからローターに取り付けると楽です。
アームカムバネカバーを外します。赤矢印のT6ネジ1本で留まっています。
アームカムバネカバーを外します。
赤矢印のT6ネジ1本で留まっています。
アームカムバネカバーの下にあるアームバネガイドと内ゲリレバー。よく見ると古いローターの音出しピンが入る穴が欠けています…
アームカムバネカバーの下にあるアームバネガイドと内ゲリレバー。
よく見ると古いローターの音出しピンが入る穴が欠けています…
写真上が内ゲリレバーでベールを起こしてハンドルを回した際にベールが返るようにするためのレバー。写真下がアームバネガイドでベールを起こす際の抵抗感とベールを勢いよく返すためのバネになります。取り付け順は内ゲリレバーが先でアームバネガイドが後になります。
写真上が内ゲリレバーでベールを起こしてハンドルを回した際にベールが返るようにするためのレバー。
写真下がアームバネガイドでベールを起こす際の抵抗感とベールを勢いよく返すためのバネになります。
取り付け順は内ゲリレバーが先でアームバネガイドが後になります。
赤矢印部分が今回のローター交換の原因になったネジ穴。間違っても締めすぎないように注意してください。
赤矢印部分が今回のローター交換の原因になったネジ穴。
間違っても締めすぎないように注意してください。

先の手順とは逆の手順でローターに付いていたパーツを取り付けます。

ローターの各パーツを取り付け終わったらベールが正しく動作するか、違和感がないか確認してください。写真の赤矢印の内ゲリレバーがベールの動きと連動して上下するか確認してください。
ローターの各パーツを取り付け終わったらベールが正しく動作するか、違和感がないか確認してください。
写真の赤矢印の内ゲリレバーがベールの動きと連動して上下するか確認してください。
ローターに問題がなければリールボディーにローターを取り付けローターナットを締めます。
ローターに問題がなければリールボディーにローターを取り付けローターナットを締めます。
ローターナットの締め位置はこのリテーナーと関係しています。写真は締め位置がダメな例
ローターナットの締め位置はこのリテーナーと関係しています。写真は締め位置がダメな例
こちらは正しいローターナットの締め位置。ローターナットを適宜締めた後に少し緩めて調整するのがオススメです。
こちらは正しいローターナットの締め位置。
ローターナットを適宜締めた後に少し緩めて調整するのがオススメです。

リテーナーを取り付け終わったら分解とは逆の手順でドラグ音出シラチェットからスプール座金まで取り付けてください。
あとはスプールをメインシャフトに通してドラグノブを閉めれば完成です。

スプールをもとに戻す際には赤矢印のスプールピンとドラグ音出シラチェットの位置を確認してください。無理やりスプールを押し込むとスプールピンが変形します。また、ドラグノブをある程度締めた後にスプールを時計回しした際にドラグ音がしない場合は上記を注意しながらスプールをはめ直してください。
スプールをもとに戻す際には赤矢印のスプールピンとドラグ音出シラチェットの位置を確認してください。
無理やりスプールを押し込むとスプールピンが変形します。
また、ドラグノブをある程度締めた後にスプールを時計回しした際にドラグ音がしない場合は上記を注意しながらスプールをはめ直してください。
スプールを戻し終わったら完成です。
スプールを戻し終わったら完成です。

おっ!
終ったでしな!

と思ったんですが釣行してみると新たな問題が…

え〜またでしか…

3回の釣行でエアノット祭り…
エアノットの原因は一体なんなのか…

キャストをするとエアノットが出来てガイドに引っかかってしまう…
キャストをするとエアノットが出来てガイドに引っかかってしまう…

無事、ローター交換を終えていざ釣行を行うも新たな問題が発生…
夜の河川での釣行でスローリトリーブを多用していたんですが10回に1回ぐらいのペースでキャスト時にエアノットが出来てガイドに“ガツン”と引っかかってしまう…
運が良ければエアノットは解けるんですがPEのため高確率で解くのは無理…
このままキャストを続けてしまうと第二、第三のエアノットが出来てしまうし、最悪の場合ガイドが破損してしまう…
仕方なくエアノット部分からPEを切ってリーダーをFGノットで組み直す…

トラブルだらけの釣行はストレスでしな…

ですね…
FGノット自体はもう何百回も組んでいるので苦では無いんですがこれだけ続いてしまうとね…

原因はなんでしか?

この時はまだ原因はわからず…
リールに巻いたラインが古かったのでとりあえず新しいPEを巻く直して様子を見ることに…

次の釣行は夕マズメからの涸沼で時合いで効率よく釣らないと厳しい感じがしていたんですがPEを巻き直してもエアノット祭りは続いてしまうんです…
案の定、シーバスの群れが来るとエアノットでリーダー組み直しで再開する頃にはシーバスがいなくなるの繰り返し…
もう本気で18 ステラを買ってしまおうかと思いました…

そして3回目の釣行も夜から湾奥での釣行。原因はわからないままなるべくスローリトリーブやラインテンションがかからないルアーを選ばないよう釣りをしていたんですがエアノットは解決できず…
朝マズメの頃には巻いたばかりのPEが残りわずかで魚に走られたら終わる長さしかない…

PEって高いのに2回の釣行でもう無くなったでしか…

150mあったんですが…
でも明るくなって原因がわかったんです!

えっ何でしか?

始めはラインローローを疑ったんですが、ドラグノブ側のスプールに巻き付いてるラインの際を見ると谷間が出来ていたんです…

どうして谷間が出来たんでしか?

ローター交換したせいでラインローラーに対してスプールの上部まで届いていなかったんです…
そのせいで上部に谷間が出来てラインテンションがかからないままラインが谷間に落ちていってキャスト時にエアノットとなっていたんです…

3回も釣行しててもっと早く気付けなかったでしか…

夜だったんでなかなか気付けなかったです…
でもリール購入時やラインの太さを変えた時にスプールの高さ調整が必要なことは知っていたんですがまさかローター交換時にも必要だったとは…

あちゃ〜

ということでスプールの高さ調整の方法を紹介します!

ラインの太さに合わせた調整が必要!
スプールを適切な高さにするためにスプール座金での調整方法

各写真のスプールに巻いたラインで出来た赤線に注目してください。左:スプール座金が適切、中央:スプール座金の枚数が少ない、右:スプール座金の枚数が多い
各写真のスプールに巻いたラインで出来た赤線に注目してください。
左:スプール座金が適切、中央:スプール座金の枚数が少ない(逆テーパー/逆ハの字)、右:スプール座金の枚数が多い(テーパー/ハの字)

気にされない方もいるかと思いますが、通常リールは様々な太さのラインを扱えるようにスプール座金というパーツでスプールの高さを調整出来るようになっています。
リールを買ってラインを巻いた場合に適正な高さとなる場合もありますが、上記写真の様に巻いたラインが逆テーパー(逆ハの字)やテーパー(ハの字)になってしまった場合は調整が必要です。
調整を行わないとバックラッシュ(バックラ)やエアノットなど様々なライントラブルが発生します。

スプール座金の場所と追加/取り外し方法

スプール座金はスプールを外した赤矢印の場所にあります。
スプール座金はスプールを外した赤矢印の場所にあります。
スプール座金
スプール座金

スプール座金は厚さが0.25mmと0.5mm(シマノの通常スピニングリールの場合)があります。
購入時にすでにスプール座金は数枚リールに付いた状態になっています。
また、購入したリールの箱の中にも調整用に数枚スプール座金が入っています。

スプール座金を追加する場合は内側に小さな歯のような突起が付いて、スプール軸ベアリングガイドに固定出来るようになっているので少し入れ辛くなっています。上から少し強く押し込めばスプール軸ベアリングガイドに入ります。

取り外しは爪などでスプール座金の2箇所以上引っ掛けて上に引っ張れば簡単に取れます。

逆テーパー(逆ハの字)の時のスプール座金の調整方法

ラインが逆テーパー(逆ハの字)の場合はラインローラーの位置に対してスプールが低いことで起こります。
この場合はスプール座金の追加が必要になります。

軽度な逆テーパーの場合
軽度な逆テーパーの場合は0.25mmのスプール座金を1枚づつ追加して確認してください。
0.25mmのスプール座金の予備がない場合はリール側の0.25mmのスプール座金を抜いて0.5mmのスプール座金を追加してください。
極度な逆テーパーの場合
軽度な逆テーパーになるまで0.5mmのスプール座金を追加してください。
軽度になったら0.25mmのスプール座金を追加してください。

テーパー(ハの字)の時のスプール座金の調整方法

ラインがテーパー(ハの字)の場合はラインローラーの位置に対してスプールが高いことで起こります。
この場合はスプール座金の枚数を減らす必要があります。

軽度なテーパーの場合
軽度なテーパーの場合はリールから0.25mmのスプール座金を1枚づつ減らして確認してください。
リールに0.25mmのスプール座金が入っていない場合は0.5mmのスプール座金を1枚減らして0.25mmのスプール座金を追加してください。
極度なテーパーの場合
軽度な逆テーパーになるまで0.5mmのスプール座金を減らしてください。
軽度になったら0.25mmのスプール座金を減らしてください。

1枚づつ変えて確認するのは分かるでしがその度にライン巻き直すのは大変でし…

ラインリサイクラーがあれば巻き直しも簡単です!
軽度の場合は巻き直さなくてもキャスト毎に改善されていきますね!

あると便利なグッズ紹介

まとめ

今回はスピニングリールのローター交換を紹介しましたが、スピニングリールリールのパーツ交換を行った場合はラインローラーとスプールの高さが合っているかも確認しましょう!